商業簿記2級 引当金とは、種類、貸倒引当金、商品(製品)保証引当金、賞与引当金、退職給付引当金、修繕引当金など

引当金とは?またその種類は?

 引当金は、将来の費用を決算時に見積で計上した際に発生した貸方項目のことをいう。引当金は、その性質により次のような種類がある。

引当金 評価性引当金(資産の控除項目) 貸倒引当金
負債性引当金(負債) 商品(製品)保証引当金、賞与引当金、退職給付引当金、修繕引当金

 「貸倒引当金(資産)」は、将来において売掛金、受取手形、電子記録債権、及び貸付金などの債権の回収が不能(貸倒れ)になることが見込まれる場合、それを決算時に見積もって費用計上する際に発生する貸方科目のことをいう。貸倒引当金は、特定の資産に対する見積によるマイナスを意味することから、評価性引当金と呼ばれている。

 貸倒引当金が設定されていれば、その後に債権の回収不能になった時点では費用を計上する代わりに引当金を取り崩すことになる。これにより期間損益計算を適正に行うことが可能となる。

★貸倒引当金:将来における債権の貸し倒れに備える引当金
★貸倒引当金繰入:貸倒引当金設定における費用科目

 一方の「負債性引当金(負債)」は、将来において特定の支出等が見込まれる場合、それを見越して決済で費用を計上する際に発生する貸方項目のことをいう。負債性引当金が設定されていれば、その後に支出などが実際に生じた時点では費用を計上する代わりに引当金を取り崩すことになる。これにより期間損益計算を適正に行うことが可能となる。

貸倒引当金について

 「貸倒引当金」とは当期に発生した債権が翌期以降に回収不能となる可能性が高い場合には、決算において回収不能となる金額を見積り「貸倒引当金繰入(費用)」(または「貸倒引当損」)の借方に記入するとともに、「貸倒引当金(負債)」を貸方に記入する。

 貸倒引当金の設定金額は、経営状態に重大な問題が生じていない債務者に対する債権(一般債権)については債権金額に過去の実績率等を乗じて算定する。一般債権以外の債権については回収可能性を判断し、個別に設定する。

 前記に設定した貸倒引当金が全額取り崩すことなく、当期末において残高がある場合には、貸倒引当金の設定金額からその残高を控除した金額をもって繰入金額とする。これを「差額補充法(差額調整法)」という。その際、貸倒引当金繰入の損益計算書における表示は、設定対象債権が売掛金や受取手形のような売上債権である場合には「販売管理費及び一般管理費」とされ、貸付金のような売上債権以外の金銭債権の場合には営業外費用とされる。

 また貸倒引当金の設定金額が適切でありながら、決算における貸倒引当金の設定額よりも貸倒引当金の残高が大きい(回収不能額が想定を下回った)場合には、その差額だけ貸倒引当金を減額するとともに「貸倒引当金戻入(収益)」を貸方に記入する。その時の損益計算書(P/L)における表示は、一般に営業外収益とする。

商品(製品)保証引当金について

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 顧客と契約にもとづき、商品について合意された使用に従っているいつという保証(補修や交換)を付して販売を行うことがある。当期に販売した商品を対象として翌期に保証が行われている可能性が高い場合には、決算において補修や交換の金額を見積もり、「商品保証引当繰入勘定(費用)」を借方に記入する。それとともに、「商品保証引当金勘定(負債)」の借方に記入する。なお、製品を販売する場合は、「製品保証引当金勘定(負債)」を記入する。

 翌期に、実際に保証が行われた際には、商品保証引当金勘定を借方に記入することで取り崩し、商品保証引当金の残高を超える場合は、その超過額を商品保証費勘定を借方に記入する。なお、すでに補修が済んでいる場合には、借方記入する商品保証引当金勘定の相手勘定として、補修時に計上しら勘定(商品保証費勘定など)、交換の場合は仕入勘定などを記入する。

 翌期の期末において商品保証引当金勘定の残高がある場合には借方に記入して取り崩すとともに、「商品保証引当金戻入勘定(収益)を貸方に記入する。その際に損益計算書(P/L)における表示は、原則として商品保証引当金戻入勘定を商品保証引当金繰入勘定と相殺し、相殺しきれなかった場合には営業外収益として処理する。

賞与引当金について

従業員と締結した労働協約等に基いて、夏季・冬季に支払われる賞与
(ボーナス)は、労働対価の後払い的な性質を有する。そのため、当期の労働を対象として翌期に賞与の支払いを行う可能性が高い場合は、決算においてその支払い額のうち当期に属する金額を見積もり、「賞与引当金繰入勘定(費用)」を借方に記入し、「賞与引当金勘定(負債)」を貸方に記入する。

その後、翌期において賞与の支払いが行われた際には、「賞与引当金勘定(を借方に記入することで取り崩しを行い、現・預金勘定を貸方に記入する。

退職給付引当金について

 従業員と締結した労働協約等に基いて、従業員を退職以後に支払いわれる退職一時金や退職年金(退職給付)は、労働対価のの後払い的な性質を有する。そのため、当期の労働を対象として退職時以降に退職給付が行われる可能性が高い場合には、決算においてその支払い額のうち当期の労働に属する金額を見積、「退職給付費用」(または退職給費引当金繰入)勘定の借方に記入するとともに、「退職給付引当金勘定」の貸方に記入する。

 退職給費、企業が内部で積立を行い、退職時以後に企業が退職給付を直接行う方式(内部積立方式)と、外部の基金に掛け金を支払うことで積立を行い、退職時以後に基金が退職給付を行う方式(外部積立方式)がある。このうち外部積立方式において、外部の基金に掛け金を支払った際には、退職給付引当金勘定を借方に記入することで取り崩し、現金または預金勘定の貸方に記入する。

 将来において退職給付がなされた際、内部積立方式の場合には、退職給付引当金勘定を借方に記入することで取り崩し、現金または預金勘定の貸方に記入する。これに対して、外部積立方式の場合には、仕訳は行われない。